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子どもの共感力は遊びと会話で伸びる!育て方ガイド

  • 株式会社EQAO教育グループ
  • 6月9日
  • 読了時間: 22分

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▶︎1. 子どもの共感力とは?その重要性を知ろう



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1.1 共感力ってどんな力?

子どもにとって「共感力」とは、他の人の気持ちを想像し、寄り添う力のことです。 

相手が嬉しいときに一緒に喜んだり、悲しいときに「大丈夫?」と声をかけたりする行動が、それにあたります。


共感力は、思いやりや人間関係の土台となる大切な力です。


人と関わるうえで「相手の立場に立って考える力」は欠かせません。

幼少期からこの力を育てることで、友達とのトラブルを避けやすくなったり、自信をもって人と接することができたりします。


たとえばこんな場面、ありませんか?

  • 保育園で友達のおもちゃを取ってしまい、相手が泣き出した

  • 公園で転んだ子を見て「大丈夫?」と声をかけられるか迷った


こうした日常の中に、共感力の芽がたくさんあります。

共感力は生まれつきではなく、経験と関わりの中で育てていける力です。 

だからこそ、小さいうちから丁寧に関わることがとても大事なんです。


共感力がある子どもは、次のような特徴が見られます。

  • 人の気持ちに敏感で、困っている人に手を差し伸べる

  • 空気を読んで場を和ませることができる

  • 自分の感情も整理しやすいので、メンタルが安定しやすい


逆に、共感力が乏しいと、人間関係がうまく築けず、孤立しやすくなってしまうこともあります。


1.2 子どもに共感力が必要な理由

共感力があることで、子どもは他人と良い関係を築きやすくなります。 

それは大人になってもずっと続く、人付き合いの“基礎体力”のようなものです。


共感力がある子どもは、人間関係・学習面・精神面での安定が期待できます。


具体的には、以下のようなメリットがあります。


◎人間関係がうまくいきやすい

相手の気持ちを想像できる子は、友達とのトラブルが起きにくいです。 もしけんかしても「どうして怒ってるんだろう?」と考えることで、仲直りのきっかけを見つけられます。


◎いじめ・差別に関わりにくくなる

共感力があると、「誰かが傷つくこと」を自分ごとのように感じられます。 だからこそ、いじめを止める勇気を持てたり、思いやりある言葉を選べるようになるんです。


◎学習面にも良い影響が

「この人の話をよく聴こう」とする姿勢は、先生の話を理解する力にもつながります。 また、グループ活動や発表の場面でも、他の子とのやりとりがスムーズになります。


◎自己肯定感が育つ

共感力があると「相手の気持ちに寄り添えた」という経験を積みやすくなります。 それが「自分って役に立てるんだ」「誰かのために動けるんだ」という自己肯定感に直結します。


たとえば、友達が転んだときに「痛かったね、大丈夫?」と声をかけるだけで、2人の関係は深まります。

その経験が「人の気持ちを大事にするのって素敵だな」と感じるきっかけになるんです。


1.3 共感力のある子どもが育つとどうなる?

子どもが共感力をしっかり身につけると、思いやりのある行動が自然とできるようになります。 

それは学校生活だけでなく、大人になってからの人間関係や仕事にも影響する大きな土台です。


共感力は一生使える「人と生きていく力」なんです。


たとえば、次のような成長が期待できます。


① 人間関係で信頼を築ける

共感力があると、人の気持ちに寄り添えるため、信頼関係が深まりやすくなります。 友達から「この子といると安心できる」と思われやすく、自然と人が集まる存在に。


② チームでの協力が得意になる

グループ活動や習い事などで「相手の立場を理解する」ことができると、トラブルが少なく、協力しながら進める力がついていきます。


③ 感情をコントロールできるようになる

共感力が高いと、自分の気持ちにも敏感になります。 その結果、「イライラしても言葉で伝えよう」「相手の気持ちも考えよう」と考えられるようになり、衝動的な行動が減ってきます。


④ 多様性を受け入れられる

違う考え方や文化に出会っても、「なるほど、そういう感じ方もあるんだね」と柔軟に受け止められるようになります。 この力は、これからのグローバル社会でとても大切です。


共感力がある子は、人とつながる力、自分を大切にする力、社会で生きる力を同時に育てています。

だからこそ、小さな頃からの積み重ねがすごく大事なんです。



▶︎2. 子どもの共感力の育て方【家庭編】



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2.1 日常会話で感情を言葉にする

子どもの共感力を育てる第一歩は、日常の会話の中で「感情」をきちんと言葉にすることです。 

これは一見シンプルですが、毎日の積み重ねが大きな差になります。


子どもが「気持ちに気づく力」を育てるためには、まず自分の気持ちに言葉を与えることが大切です。


たとえば、こんな声かけを意識してみましょう。

  • 「それ、悔しかったね」

  • 「ワクワクしてるね、楽しみだね」

  • 「びっくりしたよね、こわかったよね」


子どもがうまく言葉にできないとき、大人が代わりに気持ちを“代弁”してあげることで、「ああ、これは“悲しい”って気持ちなんだ」と学んでいきます。


■よくある失敗とその解決策

日常会話でありがちな失敗を見てみましょう。

感情をスルーしてしまう  忙しいと、子どもが泣いたり怒ったりしても「早くして!」と済ませがちです。 

→まずは気持ちを受け止める一言を挟んでから行動の話をするようにしましょう。


否定から入ってしまう  「そんなことで泣かないの!」「怒っちゃダメでしょ」と否定してしまうと、感情表現が苦手な子になります。 

→「そう感じたんだね」と一度気持ちを認めてからアドバイスを。

結果ばかりに注目する  「頑張ったね」より「悔しかったよね、でもよくやったね」のように、気持ちと行動の両方に言及するのがポイントです。

■具体的な日常シーン


たとえば、スーパーで欲しいお菓子が買えずに泣いているとき。


「泣かないの!」ではなく 「がっかりしちゃったんだね。でも今日は買えないんだ、ごめんね」


この一言で、子どもは「気持ちを分かってくれた」と安心し、自分の感情と向き合うことができるようになります。


感情を言葉にできる子は、他の人の感情も読み取りやすくなります。

だからこそ、家庭の中で「気持ちのやり取り」を丁寧に行うことが、共感力を育てるベースになるんです。


2.2 親が「共感」のお手本になることが大事

共感力を育てるうえで、とても大きな影響を与えるのが親の姿勢です。 

子どもは、大人の言葉づかいや態度をよく見ています。だからこそ、親が“共感する姿”を日常的に見せることが大切なんです。


親のふるまいが、子どもの共感力を育てる最大の教材になります。


■どんな行動がお手本になるの?

たとえばこんなシーンで共感の姿勢を見せてみてください。

  • 家族が疲れているときに「今日はがんばったね」と声をかける

  • 子どもが失敗したときに「悔しいよね。でもチャレンジしてえらかったよ」と寄り添う

  • ニュースや絵本の中の人物について「この人はどう感じたと思う?」と問いかける

親がこういった共感的な言葉や視点を持つことで、子どもも自然とその感覚を身につけていきます。


■よくあるNG行動と改善のヒント

感情をスルーしてアドバイスだけ言う  「そんなことで泣かないの、こうすればいいんだよ」など、アドバイスに走る前に共感のひと言を。  →「そっか、悲しかったんだね」とまず共感 → 次に対処が鉄則です。

親自身がイライラをぶつける  「早くしなさい!」「なんでできないの!」と強く怒ってしまうこと、ありますよね。  →イライラする場面でも「ママも疲れてて、ちょっとピリピリしちゃった、ごめんね」と自分の気持ちを伝えると、子どもも真似して感情を言葉にできるようになります。

他人に冷たい態度を見せる  お店や道端での何気ない対応も、子どもはしっかり見ています。  →「あの人困ってたね」「手伝ってあげられるとよかったね」など、やさしさを言葉にする習慣を。


■イメージしやすい日常の例


たとえば、子どもが転んで泣いているとき。  「大げさだなあ」と思っても、「びっくりしたね、痛かったね」と寄り添う姿勢を見せてあげると、それが子どもにとって“共感ってこういうこと”の学びになります。


親のひと言が、子どもの共感力に直結します。


一緒に感じて、一緒に考える姿勢。

それが、子どもにとって最高のお手本です。


2.3 絵本や動画で感情の幅を学ぶ

子どもにとって「感情の世界」を広げる手段として、絵本や動画はとても効果的です。 

さまざまなキャラクターの気持ちを追体験することで、自分以外の感情にも目を向けられるようになります。


絵本や動画は、子どもの共感力を育てる“心のトレーニングツール”です。


■なぜ絵本や動画が効果的なの?


理由は3つあります。

感情の種類を増やせる  現実の生活では出会えないような感情、たとえば「嫉妬」「孤独」「安堵」なども、ストーリーを通して知ることができます。

視点の転換を体験できる  主人公だけでなく、敵役や脇役など、さまざまな立場に感情移入することで、柔軟な視点が育ちます。

感情に「名前」をつけられるようになる  「この気持ちは“寂しい”なんだね」「この場面は“ほっとした”んだ」と、言葉で感情を認識するきっかけになります。


■活用のポイント

絵本や動画は、ただ見せるだけでなく、一緒に感じる・話すことが大切です。

たとえばこんなやりとりがおすすめです。

  • 「この子、どんな気持ちだったと思う?」

  • 「あなたならどうする?」

  • 「似たようなこと、あった?」

こうした対話を通じて、物語の中で感じたことを“自分の感情”として捉えるようになります。


■よくある失敗例とその対策


ストーリーの内容にだけ注目してしまう  物語の「結末」ばかり話題にすると、感情への注目が薄れます。

 →「気持ちの動き」に焦点を当てる声かけを。

一方的に大人が感想を言う  「この子かわいそうだったよね」と決めつけると、子どもが自分で感じる余地がなくなります。  →「どう思った?」と子どもから引き出す姿勢が大切。


悲しいシーンを避ける  つらい内容も、子どもにとっては大事な学びになります。  →年齢に合った内容なら、安心できる環境で一緒に見ることで乗り越えられます。


■具体的なシーンの例


寝る前の読み聞かせで、主人公が失敗して落ち込む場面に差し掛かったとき。


「この子、なんて言ってほしかったかな?」 「もしあなたが友達だったら、どう声をかける?」


こんな対話が、共感力のトレーニングになるんです。


物語の中で出会う感情は、子どもにとって“心の引き出し”を増やしてくれる存在です。

共感の種をたくさん蒔けるよう、ぜひ日常的に絵本や動画を活用してみてください。


2.4 ごっこ遊びの効果と活用法

「ごっこ遊び」は、子どもの共感力を自然に育てる最高の方法のひとつです。 

お店屋さんごっこやお医者さんごっこ、ヒーローごっこなど、日常にある遊びの中に“他の人の立場を体験する要素”がたっぷり詰まっています。


ごっこ遊びは、楽しみながら共感力を伸ばせる“感情の練習場”なんです。


■ごっこ遊びで育つ力


相手の気持ちを想像する力  お店屋さん役なら「お客さんがうれしくなるには?」、お医者さん役なら「痛がってる人にどう接する?」と考えるようになります。

言葉の使い方が柔らかくなる  「どうぞ」「ありがとう」「大丈夫?」など、優しい言葉を自然に使えるようになります。

協調性と創造力も育つ  役割分担やストーリー作りを通して、他の人と一緒に遊ぶ力も身につきます。


■よくある失敗とその対策

大人がルールを決めすぎる  「これはこうやって遊ぶんだよ」と細かく指示してしまうと、子どもが自由に感情表現できません。  子どものアイデアを尊重して、自由に展開させてあげることが大切です。


遊びを“子どもだけ”に任せる  大人が参加すると、会話の幅がぐっと広がります。  →忙しくても数分だけでも一緒に遊ぶことで、子どもは心から楽しめます。


「遊び=暇つぶし」と考える  実は、ごっこ遊びは心の成長に直結する大切な時間。  →遊びながらも「感情」「立場」「言葉遣い」に注目すると学びの質が高まります。


■具体的な日常シーンの例


おままごとの中で、子どもが「ごはん冷めちゃったよ〜」と言ったら、 「そっか、あったかい方がうれしいよね。


じゃあレンジでチンしてあげるね」と対応する。


こんなやりとりも、「人の気持ちを想像して行動する」練習になります。


ごっこ遊びは、子どもの心の中に“他人の立場で考える”習慣を育ててくれます。

遊びの中にあるたくさんの学び、ぜひ日常の中で大切にしてあげてください。



▶︎3. 子どもの共感力を育てる遊び・教材



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3.1 共感力を育むおすすめ遊び

子どもの共感力を育てるには、“遊びの力”を活用するのがいちばん効果的です。 な


ぜなら、遊びには「人と関わる」「気持ちを感じ取る」「自分を表現する」といった要素が自然に含まれているからです。


楽しみながら、他人の気持ちを想像する力が育ちます。


■おすすめの遊び3選

以下は、家庭でもすぐに取り入れられる遊びです。

気持ちカードゲーム  感情の表情が描かれたカードを使い、「この顔はどんな気持ち?」「どうしてそう思ったの?」と話す遊び。  →感情を読み取る力が育ち、自分の気持ちにも敏感になります。

ジェスチャーしりとり  言葉ではなく動きだけで伝えるしりとり。相手の意図をくみ取るため、観察力と共感的な理解力が求められます。  →笑いながら「伝える・受け取る」練習ができます。

ぬいぐるみ劇場  お気に入りのぬいぐるみを使って、小さなお芝居を楽しむ遊び。悲しい・嬉しいなど感情をストーリーに乗せて演じます。  →他者の視点を経験し、言葉で気持ちを表現する力が身につきます。


■よくある遊びの失敗とその対策

勝ち負けばかりにこだわる  勝ち負けが中心になると、相手の気持ちを気にしなくなってしまいます。  勝敗よりも「どう感じた?」を大事にする声かけを。


遊びの中でネガティブ感情が出たとき放置する  たとえば泣いたり怒ったりしたとき、放っておくと「感情=よくないもの」と思い込むことも。  →「悔しかったんだね」「悲しかったね」と感情を一緒に整理する時間を持ちましょう。

大人が全て進行しようとする  子ども自身が工夫して遊ぶことで、共感力だけでなく自主性も育ちます。  子どもに任せる時間を作ることで、気持ちのやりとりも豊かになります。


■日常シーンでの具体例

雨で外遊びができない休日に、「気持ちカードでクイズしよう!」と誘ってみるだけでもOK。 

「これ、どんな気持ち?」「自分もこういうときある?」と話すうちに、子どもは自然と他者の気持ちに目を向けていきます。


遊びの中には、共感力を育てるヒントがぎゅっと詰まっています。


ルールよりも、「どんな気持ちになったか」「相手がどう感じたか」を大切にしながら、一緒に楽しんでくださいね。


3.2 教育ツール「SQIQ(スクイク)」の魅力

教材の中でも、子どもの共感力を育てるものとして注目されているのが教育型カードゲーム「SQIQ(スクイク)」です。


このツールは、共感力だけでなく異文化理解や記憶力も一緒に育てられるという点で、家庭・保育施設・学校など幅広く活用されています。


「SQIQ(スクイク)」は遊びながら子どもの心を育てられる優れた教材です。


■SQIQの特徴とは?

共感力を“体感的に”学べる  ゲームの進行に合わせて「相手の考え」を予測したり、「自分ならどうする?」と考える場面が多くあります。  →自然と他者の気持ちを想像する力が育ちます。

異文化理解の視点が身につく  世界の国旗や文化が登場するため、遊びながら多様性への理解が深まります。  →他者との違いを尊重する姿勢が育ち、共感力にもつながります。

記憶力・集中力も鍛えられる  カードの内容を覚える・順番を考えるなど、知育的な要素も豊富。  →ゲーム性があるため、子どもが飽きずに繰り返し取り組めます。


■こんな場面で活用できます

  • 雨の日の室内遊び

  • 家族みんなでのボードゲームタイム

  • 保育園や学童のグループワーク

  • 小学校の道徳や社会の授業にも応用可能


大人と一緒に楽しめる設計なので、親子の会話のきっかけづくりにもぴったりです。


■よくある使い方の失敗とアドバイス


ただ勝ち負けにこだわる進行にしてしまう  →「どんな考えだった?」「どんな気持ちになった?」と感情に注目する声かけを大事に。

ルールを厳密に守りすぎる  →あくまで「心を育てる」目的なので、子どもに合わせた柔軟な進め方を意識しましょう。

年齢に合わない遊び方で混乱させてしまう  →対象年齢に応じたカードやルールを選び、徐々にレベルアップすることでスムーズに遊べます。


夕食後、家族で「1回だけやってみよう」と始めたら、思わず夢中になって気づけば30分。


SQIQは、楽しさの中に“心を育てる仕掛け”がたっぷり詰まっています。

家庭でも施設でも取り入れやすいので、ぜひ一度試してみてください。


3.3 学校や施設で使えるアイデア集

子どもの共感力は、家庭だけでなく学校や保育施設などの集団生活の場でも大きく育ちます。  日々の関わりの中に、少し工夫を加えるだけで「思いやり」や「相手を思う気持ち」がぐんと深まります。


共感力は“人との関係”の中で磨かれる力。

だからこそ、集団の中での育て方も大切です。


■先生や保育士さんにおすすめの工夫

「気持ちの共有タイム」を取り入れる  たとえば朝の会で「今日の気持ちは?」を発表し合う時間を設けると、自分の気持ちを言葉にする習慣がつき、友達の気持ちにも敏感になります。

トラブルを“学びの機会”にする  けんかやすれ違いが起きたとき、「どうして嫌だった?」「相手はどんな気持ちだったかな?」と考えることで、感情の整理と共感の訓練になります。

役割交代ゲームを活用する  「先生役と生徒役を交代」「買い物ごっこでお店側とお客側を交代」など、視点を変える遊びで立場を想像する力が育ちます。

■よくある失敗例とその対策

「いい子にしなさい」で終わってしまう  →「なぜそれがよくないか」「相手はどう感じたか」に踏み込んで一緒に考える姿勢が大事です。

トラブルをすぐに大人が解決してしまう  →子ども同士で解決の糸口を探す経験を尊重し、導き役として寄り添う対応を心がけましょう。

子どもの発言を急いでまとめすぎる  →「そう思ったんだね」と最後まで話を聴く時間を大切にすることで、自分も相手も大事にする姿勢が身につきます。

■取り入れやすいシーン

  • 給食の時間に「ありがとうって言えた?」をテーマに感謝を考える

  • 帰りの会で「今日一番うれしかったこと」をシェアする

  • 物語を読んだあとに「自分ならどうする?」の感想交換タイムを入れる


こうした工夫が日常にあるだけで、子ども同士の思いやりのやりとりがぐんと増えていきます。


集団の中での関わりこそ、共感力が“育つ・試される・広がる”チャンスです。


学校や施設の先生方にも、ぜひ実践してほしいアプローチです。



▶︎4. 子どもの共感力を育てる上での注意点



4.1 間違った関わり方に注意

共感力を育てようとするあまり、実は逆効果になってしまう関わり方をしてしまうことがあります。 

子どもの心に寄り添いたい気持ちはとても大切ですが、やり方を間違えると、かえって感情表現が苦手になったり、周囲との関係がうまくいかなくなったりすることも。


共感力は“押しつけるもの”ではなく、“一緒に育てるもの”です。


■よくある3つの間違った関わり方

「相手の気持ちを考えなさい」と責める  →たとえば、おもちゃを取り合ったときに「お友だちが嫌がってたでしょ!」と怒るのは逆効果。 

子どもは“怒られた記憶”だけが残り、気持ちを考える余裕がなくなってしまいます。

「わかってるでしょ?」と感情の説明を省く  →感情の裏には理由があります。「怒ってるけど本当は悲しい」など、複雑な気持ちを丁寧に言葉にしてあげることが大切です。

「いい子」ばかりを求める  →“優しくて思いやりのある子”を期待しすぎると、子どもは本音を隠すようになります。  →本音と建前がごちゃごちゃになり、共感ではなく“顔色を伺う”ようになってしまうことも。


■解決のヒント

  • 問いかけは責める形でなく、導く形で  「どうしてそうしたのかな?」→「○○ちゃんはどう思ってたと思う?」

  • 感情にラベルを貼ってあげる  「怒ってたけど、本当は○○って思ってたのかもね」など、気持ちの言語化を手伝うことで整理しやすくなります。


  • 感情を否定せず、まずは受け止める  「そう思ったんだね。そう感じるのは自然なことだよ」と言ってあげるだけで、子どもは安心します。


■日常の失敗例から学ぶ


たとえば、兄弟げんかで「なんでそんなことするの!」と叱ったとします。 

その後、「弟に意地悪しちゃったのは、昨日パパに怒られてつらかったからかな?」と気持ちを振り返る会話ができると、子どもも「自分の気持ち」や「相手の気持ち」に目を向けやすくなります。


共感力は“教える”ものではなく、“一緒に考える”ことで育つもの。


その視点を忘れずに、毎日の関わりを見直してみてくださいね。


4.2 「共感しすぎ」も問題?バランスの取り方

共感力は大切ですが、「共感しすぎ」も実は注意が必要です。 

他人の気持ちに敏感すぎると、自分の感情を後回しにしてしまうこともあります。


共感力には“健康的な距離感”が大事です。


共感しすぎることで起こること

  • 自分より他人を優先しすぎて疲れてしまう

  • 困っている人を助けられないと自己否定につながる

  • 相手の感情に振り回されて不安定になる


■バランスのとり方


「感じて、でも巻き込まれすぎない」視点を持つ 

→「相手は悲しんでいる。でも私はどうしたい?」と、自分の気持ちも大切にする習慣を。


「自分を守る共感」もあることを伝える 

→「誰かを助けたいと思う気持ちも大事。でも、自分がつらくなるなら、少し離れてもいいよ」と教えてあげましょう。


やさしさの中にも、ちょっとした“距離感”があってOK。


自分の心も大切にできる共感力を育てていきましょう。


4.3 兄弟・友達とのトラブルをどう活かすか

けんかや言い合いなどのトラブルは、実は共感力を育てる大きなチャンスです。 

感情がぶつかる場面こそ、相手の気持ちに気づく力が試され、育つきっかけになります。


トラブルは“共感を練習するリアルな場面”なんです。


■活かし方のポイント


気持ちを整理する時間をつくる  →「今、どんな気持ちだった?」「相手はどう思ったと思う?」と、冷静に話せるタイミングで対話を。

加害側にも寄り添いを  →「どうしてそんなことをしたの?」ではなく、「あなたもイヤな気持ちだったんだね」と背景にある感情に注目。

仲直りの方法も一緒に考える  →「どうやって仲直りする?」と子ども自身に選ばせることで、自主性も育ちます。


■よくある場面の例


おもちゃの取り合いでけんかになったとき。 「返しなさい」だけで終わらせず、「使いたかったんだよね。でも相手も大事にしてたんだね」と、両方の気持ちを言葉にすると、共感の土台になります。


トラブルを避けるより、“どう向き合うか”が大事。

人との関係の中で、子どもはぐんぐん心を育てていきます。



▶︎5. 子どもの共感力と成長の関係



5.1 小学校以降の共感力の変化

小学校に入ると、子どもの共感力はぐっと複雑になっていきます。 

これまでの「表情を見て気づく」だけでなく、「相手の立場を想像する」「気持ちを推測する」力が育ち始めます。


小学生になると、共感力は“ことばと思考”で深まっていきます。


■主な変化

  • 状況や文脈から相手の気持ちを考えられる

  • 自分と違う考えを受け止める力が少しずつ育つ

  • 仲間意識が強くなり、集団の中での役割も意識する


■サポートのポイント


「もしあなたが相手だったら?」の問いかけを増やす 

→自分と他人の視点を切り替える練習になります。


感情の“理由”を一緒に考える  →「〇〇って言われて悲しかったのかもね」「緊張してたから怒っちゃったのかもね」と、背景にある感情に気づかせてあげましょう。


小学生は「わかる・伝える」の力がぐっと伸びる時期。

この時期をうまく活かすことで、共感力がしっかり根づいていきます。


5.2 思春期における共感力の壁

思春期になると、自我が強くなり「自分を守ること」が優先されがちになります。 

そのため、いったん共感力が表に出にくくなることもありますが、これは自然な成長の一部です。


思春期は“共感力の揺れ動く時期”。焦らず見守ることが大切です。


■よくある変化

  • 他人の気持ちより自分の感情を優先する

  • 照れや反発で、やさしさを表に出せない

  • SNSや人間関係のストレスで感情を閉じこめる

サポートのコツ

否定せず、共感的に聴く姿勢を持つ  →「そんなふうに思ったんだね」「そっか、それは苦しかったよね」と受け止めてあげることが基本です。


他人の考えを一緒に考える時間を持つ  →ニュースや出来事をもとに「この人はどう思ったかな?」と第三者の視点で話すのが効果的です。


反抗的に見える時期でも、心の奥では共感力が育ち続けています。

ぶつかっても対話をあきらめず、信頼関係を土台に育てていきましょう。


5.3 大人になるまでに育てたい力

共感力は、子どものうちに土台を作り、大人になるまでにじっくり育てたい心のスキルです。 

社会に出てからの人間関係や仕事でも、共感できる人は信頼されやすく、協調性や柔軟性も高くなります。


共感力は“人とつながる力”のベースとなる一生モノの力です。


■育てておきたい具体的な力


  • 気持ちを言葉で伝える力  →「嬉しい」「悲しい」「困った」など、自分の感情を表現できることは共感の第一歩。

  • 相手の立場に立って考える力  →「相手はなぜこう言ったのか」「どうしてこう行動したのか」を想像することが共感力を深めます。

  • 違いを受け入れる柔軟さ  →自分とは違う価値観や考え方にふれても、それを受け止められる器の大きさを育てることが大切です。


■親としてできること


① 日常の中で「どう思う?」「なぜそうした?」と問いかける ② 感情表現や対話の時間を意識的に増やす ③ 思いやりのある行動を見つけたら、しっかり褒めて伝える


思春期〜大人にかけて、共感力は“実践”の中でさらに磨かれていきます。

子ども時代の関わりが、その後の人生にずっと影響を与えることを意識して関わっていきましょう。



▶︎6. 子どもの共感力まとめ:家庭と社会で一緒に育てる



子どもの共感力は、生まれつきのものではなく、日々の関わりや経験の中で少しずつ育っていく力です。 

家庭での声かけや遊び、学校や地域での人との関わり、すべてがその成長の栄養になります。


共感力は「人と人が安心してつながる力」。それは、これからの時代にますます大事になる生きる力です。


今日からできることは、たったひとことの声かけかもしれません。 

「そう思ったんだね」「悲しかったね」そんな言葉が、子どもの心に共感の芽を育てます。


大人が共感の姿勢を見せることで、子どもも自然とそれを学び、他人にもやさしくなれます。 


子どもたちが思いやりあふれる社会を築いていくために、私たち大人ができることを、まず身近なところから始めていきましょう。



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